111回医師国家試験を受けた感想

医師国家試験について

 

①教材

私の国家試験の勉強に使った教材は、部活の先輩からいただいた2年前のQBとイヤーノート、学校の卒試、過去問3年分だけであった。模擬試験は1月のテコム模試だけを受けた。自分で買った教材はほぼ無いので、教材費を考えるとかなり安く済んだ。

個人的には自大学の教員をある程度信用しており、卒試の授業は8割以上真面目に聴いて気になるところは質問するようにしていた。予備校・ビデオ講座には一切手を出さなかった。

国家試験の出題者は大学教員が担当することが多い現状、自大学の教員というリソースを存分に利用したほうがいいと思う。これは私の偏見であるが、大学の授業料を払っていながらビデオ講座に金銭を投じて勉強するのはカッコ悪いと思う。

ただ、後から思えば「血中のフェリチン値が上がるのはこの疾患!」みたいな横断的な知識やテクニックを身に着けるのであればビデオ講座の受講も悪くないと感じた。大学の授業やQBがそもそも臓器別なのも問題なのかもしれない。自大学の卒業試験の授業とクエスチョンバンクだけではその点は弱かった。

②勉強スケジュール、過去問

国家試験に合格した今となっては強気に書けるものの、私の勉強スケジュールは常に後手に回っていた。6月まではほぼ何も勉強せず、夏休みに入ってからようやくQBを解き始めメジャーのQBを2週したのみ。秋からは卒試の科目に合わせてQBを半周~一周、12月初めにようやく全科目の1周が終わるという遅いスケジュールであった。12月の卒業試験の成績も100人中85番くらいだったようだ(呼び出しは受けなかった)。

このままだとまずいなと思い年末年始は実家に帰らず、図書館にこもり本格的に勉強開始。1か月間毎日10時から22時まで図書館にいた。3年分の過去問と2年前のQB2~3週目を繰り返し、わからない箇所はイヤーノートや時には成書にあたるようにした。2年前のQBで勉強していたので3年分の過去問は初見の問題が多く、よい演習になった。大体7割~8割程度の正解率で安定しており、合格しそうだという自信がついてきた。間違えた問題も解説を読めば「なんだそういうことか」と思うことが多かった。正答率の高い問題を間違えるとショックであったが、友人の話を聞く限り多かれ少なかれ誰にでも正答率の高い問題を落とすミスはあるので、あまり気にしないことが大事だと思われる。

③国家試験当日

会場は東京の大正大学。試験期間中は新宿のホテルに友人と宿泊。初日は臨床で9割近く得点するものの、必修で大きなミスをし、「みんこれ」というサイトで69%という得点をたたき出してしまう。この「みんこれ」で出される数字にかなり落ち込んでしまった。後に一部の解答速報が誤報であることが発覚し、実際は75%くらいであったのだが、3000人中2800位という順位を見て「これは落ちる」と本気で思ってしまい、とても胃が痛くなった。

2日目も初日の必修の失敗が頭に残り、臨床問題で普段ではありえないようなミスをしてしまった。2日目の必修と3日目の必修はほぼ満点近く取れたので結果的に初日の失敗は帳消しになったが、2日目3日目の臨床問題での取りこぼしが今度は心配になり、試験が終わった直後は受かったとは到底思えなかった。試験が終わったあとはみんな晴れやかな顔をしていたが私は「これすれすれだろうな」というものであった。

④結果

結果としては一般79%臨床75%必修86%とそこそこ余裕がある成績であった。ただ、合格発表までは心の中では「マークミスしていないか」などの不安は消えなかった。

⑤教訓

私の経験を、次年度受ける人に教訓として伝えるならば「国家試験期間中にはみんこれや解答速報などは見ないほうがいい」ということである。みんこれで解答を入力すると正答率95%の問題を外していたことに気づき、ショックを受けるかもしれない。国家試験の正攻法は皆が解ける問題を落とさないことだと言われているが、終わってみて思うのは90%以上の問題も結構落とせると思う。「国家試験中も試験に出た問題を復習すべし」という考えの人もいるが、問題を復習するのではなく、気になったところだけ調べるだけで十分だと思う。

また、なるべく初めに考えた解答を変更しないことも重要である。見直しの際に選択肢を変更することで、かえって間違えてしまう問題が半分以上あった。もちろん見直しの際に読み過ごしていた記述に気づき、正解にたどり着くこともあるが、最初に問題を見た時のフィーリングの何が間違いだと思ったのかを慎重に判断したほうが安全である。

⑥感想

臨床現場にせよ研究に進むにせよ、医師国家試験の努力はほぼ意味のないものに見えるが、役に立つ知識・考え方は少なくない。友人と3日間ともに同じホテルで宿泊し励ましあったのは、今となっては良い思い出である。

ただ、もう二度と受けたくない試験であるのは間違いない。当日の試験教室の雰囲気、強面の試験監督、試験が終わった後に騒ぎ出す他大の学生、混雑した山手線…。

 

以上、まとまりのない文章だがこれで終わりにする。